介護や医療の希望を伝える準備|意思表示を残す方法
終活の一環として、介護や医療に関する自分の希望を事前に伝えておくことは、安心して生きる準備の大切な一歩です。本記事では「人生会議」という枠組みを通して、どのように意思表示を整理し、誰にどのように伝えるかをわかりやすく説明します。厚生労働省の人生会議(ACP)の考え方も参考にしており、あくまで一般的な情報提供を目的としています(参照: 厚生労働省 人生会議 https://www.mhlw.go.jp/acp-jinseikaigi/about/、確認日2026-08-07)。
人生会議とは:価値観を軸に話す場
人生会議(Advance Care Planning: ACP)とは、将来の医療や介護に関する価値観や希望を家族や医療者と話し合うプロセスです。病気や判断能力が低下した時にも、日頃の価値観や希望が尊重されやすくなります。大切なのは「どのような生活の質を望むか」「どんなことが本人にとってつらいのか」を言葉にしておくことです。
なぜ意思表示を残すのか
- 家族が判断に迷う場面を減らすため
- 医療者が治療方針を決める際に、本人の価値観を反映しやすくするため
- 自分らしい暮らしや最期の過ごし方を選ぶため
準備の具体的ステップ(人生会議の進め方)
以下は実際に取り組みやすい手順です。順番は厳密でなく、状況に合わせて進めてください。
1. 価値観を整理する
まずは自分にとって大事なことを書き出します。問いかけ例:
- 普段の生活で「これがあると幸せ」と感じることは何ですか?
- 身体的な自由よりも痛みの少なさを優先しますか、それとも自立を重視しますか?
- 宗教や文化的な配慮は必要ですか?
短いメモでも構いません。価値観が明確になると、具体的な治療や介護の選択肢を考えやすくなります。

2. 具体的な医療・介護の希望を書く
漠然とした「延命は望まない」といった表現だけでなく、状況ごとの希望を書いておくと伝わりやすいです。例:
- 自分で会話ができ、痛みが管理できるなら積極的なリハビリを受けたい
- 意識が戻らず意思疎通ができない場合は、苦痛を和らげることを優先してほしい
- 自宅で家族と過ごせる環境が整えば自宅療養を希望する
具体例はあくまで参考です。表現が難しい場合は、後述の「会話テンプレ」を使ってください。
3. 伝える相手と方法を決める
伝える相手は家族や親しい友人、かかりつけ医、介護事業所の担当者などです。話し方のコツ:
- 事前に話したいテーマを伝えておく(例: 「将来の医療について一緒に考えたい」)
- 短時間で伝えたい要点をまとめ、メモを見せながら話す
- 相手の考えも聴き、必要なら繰り返し話す機会を設ける
かかりつけ医に相談することで、医学的に考慮すべき点が整理できます。ただし、医療的判断が必要な場合は医師の助言を仰いでください(本記事は一般情報です)。
4. 記録の残し方
記録は口頭だけでなく書面やエンディングノートに残すとよいです。記載項目例:
- 価値観の要約(例: 「自立した生活を重視する」)
- 具体的な治療・介護の希望
- 優先して連絡してほしい人の名前と連絡先
- 普段使っている薬やかかりつけ医の情報
なお、書面の効力や手続きは事情により異なります。法的な効力や詳細については弁護士や公的窓口へ相談してください。制度や要件、料金・期限など未確認の具体情報は本稿で扱いません。

会話テンプレ(短く伝える例)
- 「自分は痛みをなるべく抑えて、家族と過ごす時間を大切にしたいと考えています」
- 「重い判断が必要になったときは、まず家族と相談してほしいです」
- 「かかりつけ医にはこういう希望を伝えてください(メモを見せる)」
相談の境界:いつ専門家や公的窓口に相談すべきか
次のような場合は専門家や公的窓口に相談してください(例示):
- 遺言や法的代理の仕組みが関係する判断を検討する場合
- 医療の可否や治療選択について医学的判断が必要な場合
- 介護サービスの利用や費用に関する制度的な手続きが必要な場合
これらは一般的な例です。具体的な手続きや制度の適用については、弁護士、医師、自治体窓口などの専門家に相談してください。
参考: 厚生労働省「人生会議(ACP)」ページ(確認日2026-08-07)。
まとめ
人生会議は、一度で完璧に終わらせるものではなく、少しずつ価値観や希望を整理していくプロセスです。書く・話す・記録するの三つを軸に準備を進めると、家族も医療者もあなたの意思を理解しやすくなります。必要に応じて専門家や公的窓口に相談する境界も意識しましょう。
今日の小さな行動
まずは10分でできる行動を一つ。紙かデジタルに「自分が大切にしたいこと」を3つ書き出してみましょう。それが人生会議の第一歩になります。
担当: BH006 浅田哲也(42歳・終活支援)。私は医師・弁護士等の資格者ではありません。この記事は一般情報の提供を目的としています。
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